ソウルは、古の歴史と現代の都市文化が見事に融合した街です。このブログ記事では、私が累計2か月ほどソウルの市庁・明洞・光化門近辺に出張で滞在した経験をもとに、観光地やショッピングエリア、美味しい食べ物、そして韓国の文化を存分に楽しむための情報を詳しくご紹介します。
宮巡りで歴史を感じる旅
ソウルには歴史的な宮殿が数多く存在し、その中でも特に有名な場所を訪れられます。ロッテホテルといった明洞付近のホテルに滞在している場合、乙支路入口駅や市庁駅周辺からスタートし、以下の順番で巡るのがおすすめです。
徳寿宮
まず訪れたいのが徳寿宮(덕수궁)。市庁駅から歩いてすぐの場所にあり、石畳の道と美しい庭園が魅力です。時間が合えば、ここでも交代式が見られます。徳寿宮は無理のない広さで観光客が多く、比較的回りやすい宮殿です。特に、徳寿宮内には韓屋と西洋建築が調和した「静観軒」があり、ロマネスク様式の石造柱やベランダが特徴的です。所要時間は60分ほどです。
慶熙宮
次に向かうのは慶熙宮(경희궁)。周囲は道路や現代の建物に囲まれていますが、一歩境内に入ると静まり返り、敬虔な気持ちになります。ここでは都会の喧騒を忘れ、静寂に包まれたひと時を過ごせます。個人的には、とても神秘的な神気に満ちた雰囲気で落ち着く場所です。所要時間は30分ほどです。
景福宮
景福宮(경복궁)は広々とした敷地を誇り、毎週火曜日以外の10時と14時に行われる衛兵交代式が見どころです。壮大な建築と広大な庭園が特徴で、韓国の歴史と文化を肌で感じられます。また、景福宮内には人工池の上に建てられた「慶会楼」があり、王が臣下たちと宴を開いた場所で、春から秋にかけて予約制の特別観覧が行われています。「香遠亭」や「思政殿」も見どころで、特に「香遠亭」は六角形の美しい東屋で、季節ごとに異なる風景を楽しめます。所要時間は90分ほどです。
昌徳宮と、その秘苑(後苑)
昌徳宮(창덕궁)は、朝鮮王朝時代の美しい景観で知られるユネスコ世界文化遺産です。自然と建築が見事に調和した宮殿で、特に後苑(秘苑)が人気の観光スポットです。
秘苑(비원)は王族の憩いの場で、もともと後苑(후원)と呼ばれていました。秘苑(後苑)のツアーは各国語で決められた時間に入れます。私が訪れたときは日本語ツアーが1日1回の朝10時からでした。秋ごろでしたが都会の中に季節を感じる自然に囲まれた広々とした低山と歴史的な建物が印象的でした。自然の中に点在する古い建物や池を巡りながら、静かなひとときを過ごせます。所要時間は昌徳宮が40分、秘苑が60分ほどです。
昌慶宮
昌慶宮(창경궁)は、昌徳宮と境界なく隣接する歴史ある宮殿です。昌徳宮と一緒に訪れると良いでしょう。所要時間は40分ほどです。
雲峴宮
雲峴宮(운현궁)は、高宗の父である興宣大院君の私邸として知られ、歴史的な価値が高いスポットです。特に、毎年春と秋に開催される高宗と明成皇后の結婚式「嘉礼」の再現行事は見逃せません。華麗な衣装と伝統的な婚礼の儀式は、まるでタイムスリップしたかのような体験を提供してくれます。所要時間は約30分ほどで、他の宮殿と合わせて訪れるのがおすすめです。
宗廟
最後に宗廟(종묘)を訪れ、王族の霊廟を見学しましょう。宗廟はユネスコ世界遺産にも登録されており、韓国の王室文化を深く知ることができます。所要時間は40分ほどです。毎年5月の第1日曜日には「宗廟大祭」という壮大な祭礼儀式が行われ、伝統音楽と舞踊が披露される特別なイベントです。
広々とした空間と荘厳な雰囲気が特徴で、秋ごろには色づいた木々に囲まれた静寂な風景が広がります。
ショッピング天国ソウル
ソウルはショッピング好きにとっての楽園です。明洞や東大門市場はもちろん、金浦空港近くのロッテモールや汝矣島のIFCモールまで、訪れるべきショッピングスポットがたくさんあります。最新のファッションやコスメ、電化製品、お土産まで、何でも揃うソウルのショッピングエリアを探索し、心ゆくまで買い物を楽しみましょう。
明洞でのショッピング
ソウルでのショッピングと言えば、まず明洞(명동)が挙げられます。ここでは手頃な価格のコスメやファッションアイテムを手に入れながら、屋台で美味しい食べ物を楽しめます。ロッテ百貨店やヤングプラザでは高級品も購入できますし、ダイソーもあり、韓国ならではのグッズも充実しています。ロッテ百貨店は高級ブランドや最新のファッションアイテムが揃い、ショッピング好きにはたまらないスポットです。ヤングプラザは若者向けのカジュアルファッションが充実しており、流行に敏感な人にはぴったりです。
明洞大聖堂(서울 명동성당)も有名です。ショッピングだけでなく、厳かな聖堂にも足を運んでみてはいかがでしょうか?
東大門市場
次に東大門市場(동대문시장)。ここはまるでアメ横がビルになったような場所で、路上の屋台やビル内のフードコートで多種多様な食べ物が楽しめます。特に深夜まで営業しているため、夜遅くでもショッピングを楽しめます。私が訪れたときは、ビルの前の小さなステージで売り出し中のアイドルグループがミニライブを行っており、ライブパフォーマンスを楽しめました。
さらに、DDP(東大門デザインプラザ)では、最新のデザインやアートを堪能できます。セレクトショップでのショッピングも楽しめます。独特な建築と多様な展示が訪れる人々を魅了し、ショッピングと文化体験を一度に楽しめるスポットです。
食料品
食料品を購入するなら、emartが便利です。ソウル市内のあちこちに店舗があり、新鮮な食材や韓国ならではの食品を手に入れられます。特にemartの龍山店はKTXの乗り入れる巨大なターミナル駅に位置し、アクセスが非常に便利です。地下2階には生鮮食品や加工食品、フードコートがあり、一部のスタッフは日本語にも対応していますので、言葉の心配なく買い物が楽しめます。また、清渓川店は東大門エリアにあり、お土産を購入するのに便利な場所にあります。
電化製品やガジェット
ELECTRO MARTは、電化製品やガジェット好きにはたまらないスポットです。最新の家電製品からPC、スマートウォッチに至るまで多様な商品が揃っています。天井が高く広々とした店舗内が印象的でした。
書店
書店も忘れてはいけません。大型書店の「教保文庫」にはしばしば行きました。韓国語の書籍はもちろん、日本人向けの韓国語学習の参考書も揃っており、読書好きにはたまらないスポットです。教保文庫は広大なフロアと豊富な品揃えで、じっくりと本を選ぶ楽しみがあります。特に人気の店舗は、光化門にある本店で、多くの外国人観光客も訪れる場所です。
大型ショッピングモール
ショッピングモールも充実しています。例えば、金浦空港近くのロッテモールは広大で、ファッションから食料品まで何でも揃います。特に、地下1階から地下2階にかけて広がるショッピングモールは、人気のレストランやスイーツカフェ、ファッションショップが集まっており、1日中楽しめる場所です。地下鉄金浦空港駅から直結しているので、天候に左右されることなく訪れられ、旅行者にとって非常に便利です。
汝矣島(여의도)に行く機会があればIFCモールもおすすめです。ビジネス街に位置し、KBSや国会議事堂、63ビルなどの観光も兼ねて訪れると良いでしょう。IFCモールは、高級ブランドから日常的なショップまで幅広い店舗が揃い、ショッピングと食事が楽しめます。地下3階にはレストランと映画館があります。さらに、建物の前には芝生の広がるIFCガーデンもあり、都会のオアシスとしてリラックスできるスポットです。
汝矣島に隣接する永登浦(영등포)のタイムズクエア(TIMES SQUARE)も注目です。約30万㎡を誇る韓国最大規模のショッピングモールで、百貨店や大型マート、複合映画館や大型書店も入っています。
コンビニ・地元のスーパー
海外に行ったとき、個人的にコンビニや地元のスーパーは外せません。旅行者向けのお土産品より、地元の人が普段使っているものに興味があるからです。
例えば、一品眞露という眞露の10年物は本格焼酎のようでお気に入りです。日本では見かけたことがありません。四角い瓶に入っており、ラベルの裏側に絵が描いてあります。お酒は少し茶色がかっているのが特徴的です。このプレミアム焼酎は、100%の韓国産米を使用し、伝統的な木桶で10年以上熟成させた逸品で、深いコクと滑らかな口当たりが特徴です。
また、ペットボトル入りの1.8リットルのビールも面白いですね。度数4%なので、サラッと飲めてしまいます。韓国の有名なビールブランドとして、CASS FLESHやHITEなどがあります。
これらの地元のスーパーでしか見つけられないユニークな商品を探し出す楽しみも、旅行の醍醐味の一つです。
韓国文化に触れる
ソウルは韓国文化の宝庫です。北村韓屋村や南山韓屋村で伝統的な韓国家屋を体験したり、国立中央博物館やソウル歴史博物館で歴史に触れることで、韓国の深い文化と歴史を肌で感じられるでしょう。
北村韓屋村と南山韓屋村
北村韓屋村(북촌한옥마을)は、景福宮と昌徳宮の間に位置し、伝統的な韓屋(韓国の伝統家屋)を体験できる場所です。壁が独特で、古き良き韓国の風情を感じられます。
南山コル韓屋村(남산골한옥마을)もおすすめです。ここでは、隣接する「韓国の家」でたまたま結婚式が行われていて、自由に出入りできるのが印象的でした。広大な南山コル公園(남산골공원)とつながっており、ゆったりと散策できます。
博物館巡り
国立中央博物館や国立民族博物館も見逃せません。
国立中央博物館(국립중앙박물관)は、韓国の歴史と文化を総合的に紹介する最大規模の博物館です。広大で、歴史的な展示物が多数ありました。先史時代から近代に至るまでの遺物や美術品が展示されています。館内の「歴史の道」は、ガラスの屋根と壁から自然光が差し込み、屋外のような開放感があり、観覧者にとってリラックスできる空間となっています。
国立民族博物館(국립민속박물관)は、韓国の生活文化を総合的に紹介する施設で、景福宮内に位置しています。ここでは、朝鮮時代から現代に至るまでの韓国人の日常生活や文化を体験できます。特におすすめなのが、屋外に再現された昔の街並みです。伝統的な家屋や商店が並び、まるでタイムスリップしたような気分になれました。所要時間は約1〜2時間程度で、韓国の豊かな文化をじっくりと堪能できます。
Nソウルタワーと63ビル
南山のNソウルタワー(N서울타워)では、展望台からソウル市内の素晴らしいパノラマビューが楽しめます。夜景も美しく、ロマンチックな雰囲気を楽しめます。恋人たちが永遠の愛を誓う鍵がかけられたデッキも有名です。夜にはタワー全体がライトアップされます。Nソウルタワーへのアクセスは、ケーブルカーやシャトルバスを利用でき、便利です。
汝矣島に位置する63ビルは、地上60階、地下3階の高層ビルで、ソウル市内で最も高い建物の一つです。展望台「63 ART」では、アートとソウルの全景を一度に楽しめます。大きなガラス窓の向こうにはソウル市内の景色が広がり、昼間はソウル市内を一望でき、夜は周辺の夜景を見下ろせるロマンチックなスポットです。また、ビル内には1,000坪を超える巨大な水族館「アクアプラネット63」もあり、400種以上の海洋生物が展示されています。ペンギンの餌付けやアザラシのショーなど、家族連れにも人気のスポットです。
ソウルの街歩き
ソウルの街を歩けば、歴史と未来が交錯する素晴らしい景色が広がります。美しい建築やユニークなスポットが点在し、歩くだけで新たな発見があります。伝統的な建物や近代的なランドマークが共存する街並みは、訪れる人々に感動を与えることでしょう。ぜひ、ソウルの魅力を存分に楽しんでください。
清渓川
清渓川(청계천)は、ソウルの中心を流れる美しい人工河川で、都会のオアシスとして多くの人々に愛されています。昼間は緑豊かな散策路として、夜には美しいライトアップで幻想的な雰囲気を楽しめます。昼は穏やかな気持ちで、夜は活気あふれる気持ちで、川沿いをゆったりと散策できました。明洞(명동)や仁寺洞(인사동)からも近いです。
ソウル駅(旧駅舎)
ソウル駅(서울역)の旧駅舎は、東京駅を設計した辰野金吾の弟子である東京帝国大学教授・塚本靖が設計者のひとりとしてデザインした駅舎で、歴史と現代が共存する魅力的な場所です。新しい駅舎は近代的で便利ですが、レンガ造りの旧駅舎が今も美しく残っており、訪れる価値があります。写真映えするスポットとしても人気が高く、散策が楽しいエリアです。
ちなみに新駅舎は次のような雰囲気です。隣にロッテマート(LOTTE MART)があり、買い物もできます。
鐘路タワー
鐘路タワー(종로타워)は、鐘閣駅(종각역)の交差点にある33階建てのスタイリッシュな高層ビルです。展望台からは、ソウルの街並みが一望でき、特に夜景が素晴らしいスポットです。高層ビルが煌めく夜のソウルは、まさにロマンチックな雰囲気で、特別な思い出になること間違いありません。タワーから見下ろす夜の風景は、訪れる人々を魅了します。散策の締めくくりに、ぜひ立ち寄ってみてください。
エンターテインメント
ソウルでは、エンターテインメントも充実しています。明洞の劇場でナンタやジャンプといった公演を楽しみ、観光と共に韓国のエンターテインメント文化を満喫し、特別な思い出を作りましょう。
ナンタ
「ナンタ(NANTA)」は、料理をテーマにしたノンバーバルパフォーマンスで、キッチンを舞台に繰り広げられるコミカルかつ迫力満点のショーです。リズムやビートを駆使したパフォーマンスが言葉の壁を超え、誰もが楽しめる内容でした。観客参加型の要素も多く、観るだけでなく一緒に楽しむ体験ができました。コロナ前だったこともあり、パフォーマンスで料理したものを指名された観客が食べる場面もありました。ソウルの明洞にある専用劇場で公演が行われており、予約してから訪れるのがおすすめです。
ジャンプ
「ジャンプ(Jump)」は、武術とアクロバットを融合させたノンバーバルパフォーマンスです。武術の達人一家が繰り広げるドタバタ劇が特徴で、驚異的な身体能力とユーモアが満載でした。観客がいじられる場面や、指名された観客が出演者を背負うように指示されるなど、謎のアットホームな感じが漂うショーでした。劇中に繰り広げられるアクロバットやコメディシーンは観客を笑顔にし、息をのむような技が次々と展開されます。ソウルの乙支路エリアにあるミョンボアートホールで公演が行われており、公演終了後には出演者とのサイン会や写真撮影も楽しめます。
快適な移動手段
ソウルの移動はとても快適です。地下鉄やバスが充実しており、どこへでも簡単にアクセスできます。特に地下鉄は安価で便利で、主要な観光スポットにスムーズに移動できます。また、ソウルシティツアーバスを利用すれば、観光地を効率よく巡れるので、初めての訪問者にもおすすめです。
地下鉄
ソウルの交通手段は非常に便利で、地下鉄(지하철)は安くて快適です。ほとんどの観光スポットにアクセスでき、初めて訪れる観光客にも利用しやすいです。また、大型スーパーのemartや家電量販店のELECTRO MARTに行くのにも便利です。
特におすすめなのが、韓国旅行のコネスト(KONEST)が提供する乗換アプリ「コネスト韓国地下鉄路線図・乗換検索」です。当時上司だった韓国好きの方のオススメで、使ってみたら手放せない便利さでした。このアプリを使えば、初めてのソウルでも迷うことなくスムーズに移動できます。
バス
ソウルのバスも多くの観光スポットにアクセス可能です。特に、世宗路の光化門広場から出発する「ソウルシティツアーバス(서울시티 투어버스)」は、効率よく主要観光地を巡るのに便利です。
ソウルシティツアーバスは、様々なルートが用意されており、一日券を購入することで自由に乗り降りできます。特に人気の高いルートは、景福宮、南山のNソウルタワー、東大門デザインプラザなどの主要観光スポットを巡るコースです。
私が利用したバスは、光化門から南下して梨泰院や国立中央博物館、Nソウルタワーを巡るルートでした。このバスは2階建てではなく、路線バス風のスタイルで、とにかく揺れました。急なブレーキや停車前にドアが空くなど、路線バスの特徴も醍醐味でした。坂の多い梨泰院エリアを通る際のちょっとスリリングな体験も含めて、非常に楽しい旅となりました。
まとめ
ソウルは、歴史と現代が共存する魅力的な都市です。この記事でご紹介した観光地やショッピングエリア、美味しい食べ物、文化体験を通じて、ぜひ素晴らしいソウル旅行をお楽しみください。次回の旅行計画に、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。