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自己肯定感を育みながら子どもが成長するための保護者の5つの言動

 子どもの自己肯定感を育てるためには、保護者としての言葉選びがとても重要です。無意識のうちに使ってしまう言葉が、子どもの自信や主体性を奪い、将来に影響を与えることもあります。この記事では、子どもをダメにしてしまうNGワードの例とその改善方法について詳しく解説します。成長の主人公である子どもに主眼を置き、子どもの成長をサポートするためのヒントを見つけましょう。

保護者の言葉

 保護者の言葉は、自身が思うより子どもにとって大きな影響があります。このセクションでは、保護者が無意識に使ってしまう言葉が子どもに与える影響について考え、具体的なNGワードとその改善策を紹介します。言葉選びの重要性を理解し、子どもの自己肯定感を育てるためのヒントを見つけましょう。

(1) 言葉の重さを理解する

 保護者が子どもに発する言葉は、思っている以上に影響力があります。一度発した言葉は取り消すことができないため、言葉を慎重に選ぶことが求められます。特に、子どもを根本から否定するような言葉(次のセクションで例示)は避けるべきです。

 なお、保護者が言葉の重さを理解していれば、仮に子どもが不適切な言葉を使っても、的確に子どもを導けます。

ポイント
 一度発した言葉は元に戻せません。子どもの将来に影響を与える言葉の重さを理解し、適切な言葉で丁寧にコミュニケーションしましょう。

(2) 子どもをダメにするNGワードと言葉選び

 次に、子どもの自信や主体性を奪う代表的なNGワードをいくつか紹介します。

  • 「常識でしょ」:独りよがりな決めつけが、子どもの考え方を狭めます。
  • 「あんたはできない子」:能力を否定することで、子どもの自信を奪います。
  • 「このままじゃやばい」:不安を煽る言葉は、子どもの自己肯定感を下げる原因に。
  • 「あんたには全く期待していない」:期待を持たないことで、子どものやる気を削ぐ言葉です。
  • 「いつも失敗する」:失敗を繰り返すことを強調することで、子どもの自己評価を低下させます。

 NGワードにメリットはないので使わないことが理想ですが、つい感情的になった保護者が、突発的に口にしてしまうかもしれません。その場合は自分と向き合い、子どもに自分の気持ちを伝えたうえで冷静で建設的な対話を再開するのが望ましいです。

 突発的でなく日常的に繰り返し口にすると、子どもの心を蝕む可能性があり深刻です。保護者が否定的なイメージを一方的に子どもに繰り返し刷り込むことで、子どもの自己肯定感は低く定着します。

 言葉には力があります。子どもを励まし、サポートするために、どのように言葉を選ぶべきかを考えてみましょう。「できない子」ではなく、「挑戦すればできる」とポジティブな言葉に変えることで、子どもの自己肯定感を高められます。言葉選びを工夫し、子どもが自分自身を信じて成長できる環境を整えることが、最も重要な保護者の責務のひとつです。

ポイント
 これらの言葉は、子どもを無意識に傷つけてしまう可能性があります。ポジティブな言葉選びが、子どもの自信や意欲を育てる鍵となります。保護者として、どのような言葉を使うべきかを学びましょう。

主人公は保護者ではなく子ども

 子どもの成長の主人公は、子ども自身です。このセクションでは、子どもの視点から保護者の言葉や行動がどのように感じられるかについて考えます。保護者と対話する中で感じる葛藤やストレス、そしてそれをどう乗り越えていくかに焦点を当てています。

(3) 意見の押し付け合いになったとき

 時には保護者と子ども意見を押し付け合ったり、押し付ける意見への訂正や抵抗に終始するなど、話し合いにならないこともあります。このような状況では、無理に会話を続けても時間を浪費するだけです。感情的になり、どちらかの意見を押し通すだけの結果にもなりかねません。お互いに頭を冷やしてからまた話そうと提案するなど、時間をおいて冷静になり、より良いコミュニケーションを築くために適切な距離を取ることも必要です。

 建設的な対話ならず不毛な会話を続けて時間を浪費するよりは、その時間を子どもが自分自身の成長に費やす時間にすることが大切です。

ポイント
 意見の押し付け合いや、押し付ける意見への訂正や抵抗といった会話を無理に続けることは、同じ方向を向いた建設的な対話ではなく、単なる対決にすぎません。必要なときには、一度距離を置くことで、子ども自身が成長できる環境を整えることがポイントです。

(4) 理解されたいという欲求を理解する

 「わかってほしい」「理解してほしい」という欲求は自然なものです。特に思春期の子どもにとって自然な感情です。保護者としては、まず、そのような子どもから保護者への欲求があり、それは自然なものだと理解することが第一歩です。

 保護者が自分の意見を無理に押し通そうとしたとき、子どもが反論する場合、子どもは自分の考えを、その時点で持っている言語力を駆使して一生懸命「わかってほしい」「理解してほしい」と説明するはずです。保護者はその欲求を理解し受け止めつつも、内容について冷静に対話を続けることが重要です。ただし、無理に同意したり、お互いの意見を踏まえて同じ方向を向き、対話を通じた相互理解と子どもの成長をサポートする姿勢が大切です。子どもが自分の考えをしっかり持つことや、自分自身を成長させることに目を向けさせることが大切です。

ポイント
 理解されたいという欲求を持つことは自然です。それを理解したうえで子どもを受容し、子ども自身の成長にフォーカスすることで、子どもの成長に伴走できます。

(5) 昨日の自分に勝つための時間を大切に

 保護者が良かれと思って気の済むまで説教や訓話を続ける場合があります。しかし、例えば毎朝30分、帰宅後に累計1時間、費やしていたらどうでしょうか? 平日だけでも週に7時間30分、月30時間です。しかも、その内容が一方的で繰り返し同じ内容だったら? 有意義なコミュニケーションという見方はできるのでしょうか? 保護者は無自覚に子どもの時間を過剰に奪っている可能性があります。

 また、対話が対決になってしまうと、保護者と子どものどちらが正しいか、どちらが勝つか、という不毛な時間が流れます。そうではなく、子どもの成長にとって最も大切なのは「子ども自身がどうあるべきか」を(必要であれば一緒に)考えることです。成長とは、誰かに勝つことではなく、以前の自分に勝つことです。「半年前の自分より、昨日の自分よりも、できるようになっていないかな?」という問いかけも有効です。成長が実感できることで、自己肯定感が増します。保護者が言いたいことや良いと思っていることも重要ですが、それに加えて子どもの成長にフォーカスすることで、より効果的に子どもの成長を促進できます。

ポイント
 本当に子どもの成長にフォーカスした時間を使っているのか、振り返ってみましょう。また、昨日の自分に勝つことが、今日の自分の成長です。子どもが自分自身との勝負に十分な時間を使えるようにしましょう。

まとめ

 子どもの自己肯定感を育むためには、保護者としての言葉選びが決定的な役割を果たします。子どもを傷つけるNGワードを避け、ポジティブで支えとなる言葉を使うことで、より良い親子関係を築きながら子どもの成長をサポートできます。また、子どもの成長にフォーカスし、子どもの成長につながることに時間を使わせる環境を整えることが重要です。これからは、子どもとのコミュニケーションにおいて保護者の言葉の重みを考え、子ども自身の成長に目を向けことに、引き続き心掛けましょう。

次のステップ:

  • 今日から使う言葉を見直して、子どもにポジティブなメッセージを伝えることを始めてみましょう。
  • どの言葉が子どもに与える影響が大きいか、自分の言葉を振り返り、必要な改善策を考えてください。
  • 子どもの成長にフォーカスし、子どもの成長につながる時間を奪わず、時間を成長に使える環境を整えましょう。