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育児本の3つのカテゴリと、おススメのカテゴリとは?

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2010年の前半くらいに育児に関する本について調査したことがあります。
育児は初めての経験だったため、専門家の知見が凝縮されている書籍を広く調査し、必要なものを取り入れるのが有効かつ効率的だと考えました。
そこで、著者の経歴なども確認しながら新品、古本、図書館、を問わず数十冊ほどの書籍の内容をチェックし、うち十数冊は購入して通読しました。

調査と熟読を進めるうちに、育児の本は3つのカテゴリに分類できることに気が付きました。
そこで今回は、私なりの育児本のカテゴリ3つと、その中でも私がオススメするカテゴリについてご紹介します。

3つの分類とは

分類の基準として、子供を育てる上で「最も重要視することは何か」という点でカテゴリを分けました。
この「最も重要視すること」が、3つのカテゴリ間でもはや相容れないくらいに異なっています。
具体的には次の3つです。

  • 一番重要なのは「親の体面」
  • 一番重要なのは「学力」
  • 一番重要なのは「子どもの幸せ」

結論からすると、私がオススメするカテゴリは3つ目の「子どもの幸せ」を最重要としているカテゴリです。
それではカテゴリを順に見ていきます。

一番重要なのは「親の体面」

このカテゴリに分類した書籍では、子育てにおいて最も重要なのは「親の体面」であると受け取れる内容になっていました。
これらの書籍で主張している最重要ポイントは、次のとおりです。

  • 世の中に出しても恥ずかしくない子にすべき
  • 世の中に迷惑をかけるな
  • そのために子どもにしつけをせよ

確かに重要なポイントではあると思いますが、「最重要」かといわれると個人的には違和感があります。
なぜなら、主眼に据えているのが育てるべき「子ども」ではなく、「親とか社会」になっているからです。
確かに社会に属する以上、その社会での規範は重要ですが、子育ての主役ではないと思います。

また、書籍の中では「しつけがなっていないと親が恥ずかしい」といった内容も散見されました。
とにかく「しつけ」ファーストな価値観です。
親や社会の都合を最優先に、とても堂々と諭すように説いていたのが印象的でした。

また、心を通わせるコニュニケーションの一部を一方的に「甘え」と断じて突き放すよう薦める場面もありました。
このように育てられたことはないのですが、こういう育て方をしたらどうなってしまうのかと怖くなります。
自己肯定感が不当に低くなってしまうなど、弊害が出そうです。

なお、このカテゴリにあてはまる書籍は数冊あったのですが、私の見た限りどれも同一の著者1人でした。
そして非常に驚いたのが、この著者は当時かなり大きな育児団体の代表だったことです。
かなり有名な方のようで、似たような育児本を多数出している他、テレビ出演も何度かあったようです。

私がチェックした数冊の書籍は当時そんなに古くもなく、後述する他の分類の書籍とも出版時期はほとんど同じでした。
私が大切にしている価値観とは全く合わないので中身の調査のみで購入することはありませんでした。

一番重要なのは「学力」

このカテゴリに分類した書籍では、子育てにおいて最も重要なのは「学力」であると受け取れる内容になっていました。
これらの書籍で主張している最重要ポイントは、次のとおりです。

  • 親子のコミュニケーションは必要最低限とすべき (でないと甘ったれる)
  • とにかく勉強させて偏差値の高い大学に入れるべき (偏差値の高い大学に入ることが直近のゴール)

このカテゴリにあてはまる書籍は、数名の著者のものを確認しました。
有名な個人進学塾の代表などが、自分の塾方針や塾生などを例にして、説いていました。
今思えば宣伝だったのかもしれません。

この人たちは前述のカテゴリ(一番重要なのは「親の体面」)に輪をかけて親子のコミュニケーションに否定的だったのが印象的でした。
こう育てられたことはないのですが、こういう育て方をしたらどうなってしまうのかと怖くなります。
学力はとても高いのに自己肯定感が極端に低いまま大人になってしまった事例が想起されます。

こちらも、私が大切にしている価値観とは全く合わないので中身の調査のみで購入することはありませんでした。

一番重要なのは「子どもの幸せ」

このカテゴリに分類した書籍では、子育てにおいて最も重要なのは「子どもの幸せ」であると受け取れる内容になっていました。
自分が幸せなら周りも幸せにできる」といった考え方をベースに、まずは「子ども自身が幸せになる」ことを主眼に置いています。
現実をきちんと認識させながらも、コミュニケーションを適切にとり、子どもの自己肯定感を高めていくことを奨励しています。

この考え方は当時、私が会社で受講していたビジネススキル研修の内容や、ビジネス系の自己啓発書の数々の内容ともシンクロしていました。
当時のヒューマンスキルのトレンドだった「傾聴」「コーチン」「アサーティブな姿勢」といった考え方も含まれていました。(用語は使っていませんでしたが、考え方は同一でした。)
つまり、当時の人材育成の考え方を子供に言い換えているだけで、ビジネス書と全く同じことを説いていました。
これは「おとな(上司・部下の関係など)でも子ども(親子関係)でも、人間の本質は同じ」なのだと思っています。

補足ですが、日本とか海外とかも無関係のようでした。
というのも、育児の本もビジネスの本も、日本も海外も関係なく、口をそろえて上記の内容を主張していたためです。

これらの本は、私が大切にしている価値観と同じ方向を向いており、子育てをサポートしてくれそうだと判断しました。
(もちろん、問いかけや取捨をしながら読み、取り入れ可否や取り入れ方を判断する必要があります。)
次々と書籍を購入し、通読しながら子育てに役立てました。
(よかった本については、機会があればご紹介できればと思っています。)
この結果が良い方向に働いていると良いと思っています。

ちなみに上述までの2つのカテゴリ(一番重要なのは「親の体面」「学力」)では、コミュニケーションを適切にとることで自己肯定感を高めるような考え方は全く出でてこないか、時には否定的でした。

10年ほどたった2020年代前半の現在では、当時のヒューマンスキルのトレンドは人材育成の枠を飛び出し、チームビルディングやイテレーション開発などにおいても、ベースの考え方として定着しているように見えます。

まとめ

今回は、私なりの育児本のカテゴリ3つと、その中でも私がオススメするカテゴリについてご紹介しました。
私なりのカテゴリは、次の3つです。

  • 一番重要なのは「親の体面」
  • 一番重要なのは「学力」
  • 一番重要なのは「子どもの幸せ」

私がオススメするカテゴリは3つ目の「子どもの幸せ」を最重要としているカテゴリです。

初めて育児を経験する場合、情報がほとんどないと途方に暮れると思います。
そんなとき、何かしらの役に立てば幸いです。